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zoom RSS 少年詩時評「誰がために」

<<   作成日時 : 2017/02/17 12:05   >>

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少年詩時評「誰がために…」
佐藤重男
 □
本ブログの「報道の中の子どもたち」の2017/2/6の記事を読んでいて、感じたことがありました。

2/6 帰還困難区域 解除5% 5年後めど 国が面積試算 
2/6 【フォーラム】「女子力」って? □楽しさ詰まっている NMB48の吉田朱里さん □取材した女性記者6人の思いは 
2/6 【生活】子どもの転落防止策に活用 ベランダ写真、募ります /NPO法人「Safe Kids Japan」 
2/6 【働く】非常勤講師「労働者と認めて」救済申し立て 東京芸大は「業務委託」 教育の質 影響懸念も/「実態に合わせた契約を」
2/6 心の「性」認める世に 命断った性同一性障害者 母は問う 
2/6 バレエ登竜門 ダブル受賞 ローザンヌ 3位に中尾さん(17)、4位に山元さん(15) 
2/6 ジブリ作品 アニー賞 日仏共作「レッドタートル」 
2/6 実質賃金 5年ぶり増 昨年0.7%プラス 物価下落が影響 
2/6 睡眠不足は肥満のもと 早大・花王 仕組み解明 
2/6 不明男児の歯と断定 相模原女性遺棄 被告の男関与か

 □
特に、次の三つの記事は、わたしに、「少年詩・童謡は誰に向かって書くのか」という問題を改めて突き付けてきました。

2/6 心の「性」認める世に 命断った性同一性障害者 母は問う 
2/6 バレエ登竜門 ダブル受賞 ローザンヌ 3位に中尾さん(17)、4位に山元さん(15)
2/6 不明男児の歯と断定 相模原女性遺棄 被告の男関与か

命を絶たれ、あるいは自死に追い込まれた者がいる一方、栄誉を手にする者がいる、という現実。
いったい、少年詩・童謡は誰に向かって書くのか、という問題。「大人が、子どもに向かって」書く、という時、わたしたちは、どんな子どもをイメージしているのでしょうか。
「いじめ」に苦しんでいる子ども、難病と闘っている子ども、日々、大人からの虐待を受けている子ども、摂食障害に苦しんでいる子ども、なんらかの理由で引きこもっている子ども、食べるものがなくてティッシュや段ボールの切れ端を口にしている子ども……。あるいは、夢の実現に向かって一歩ずつ歩みを進めている子ども、学校生活を満喫できている子ども、受験に向かって寝食を忘れて勉強に励んでいる子ども、夜空の星を毎晩仰ぎ見ている子ども、今まさに跳び箱の踏切板を踏もうとしている子ども、……。
このように、多種多様な居場所で、それぞれに生きている子どもたちがいます。
そんな子どもたちすべてが読者対象、「みんな」に読んでもらいたい、そのことを切に願って、わたしたちは書き、そして届けようとしています、といったら「きれいごと」過ぎるでしょうか。「理想主義」だと嘲笑を受けることになるのでしょうか。

 □
こうは考えられないでしょうか。
すべての子どもたちに共通の何かがある、その何かに向かってわたしたちは少年詩・童謡を書いているのだ、と。
それは、「向日性」かもしれないし、「可塑性」とも考えられるし、「感受性」だとも言えます。それら全部かも知れません。どろんこ遊びに夢中になったり、ダンゴムシやトカゲを平気で捕まえられる、それは、すべての子どもに属する心性によるものではないでしょうか。

 □
次は、最近手にした詩集に収められている作品の全文です。

 しろい こねこ     成本和子

のはらは とまどった
ひろい むねのなかに
なきさけぶ しろい こねこを
あずけるように
ぽつんと おかれて

月のひかりをあびた
ねこじゃらしの
ほさきをゆらし
あやしてみたけれど
こねこの目は
うるむばかり

のはらは だきしめつづけている
夜どおし ないて
しんと しずかになった
つめたいからだを
しろい こねこが
ひとひらの すずやかな風に
かえるまで――

               詩集『天使の梯子』銀の鈴社 2016.7


この詩から何を感じるか、それは人それぞれが違うと思います。大人と子どもでは違うだろうし、低学年の子と、中高生ではまた違うでしょう。要は、感じること、そして自分の中で何かが生まれたことに気が付く(=発見)、それに尽きると思います。(わたしも、何かを感じました。だからこそ、ああだこうだ、と考察してしまうのですが…)

 □
「誰がために」という設問自体が、実は、「大いなる愚問」なのかも知れません。
それは、結局は、少年詩・童謡の世界を狭めてしまう「陥穽」であって、そのような「甘い誘惑」には乗ってはならないと。
ただ、子どもたちの「誰」に寄り添って詩作品を書くのか、書き手の一人ひとりが、改めて胸に手を当ててみる、それは決して無駄なことではない、そんな気がします。

              ― この項 完―

おことわり
作品「しろい こねこ」の引用に際して、著者・出版社から事前の許諾を得ていません。引用先を明示することで使用をお許しいただければ幸いです。

2017/2/17


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