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<<   作成日時 : 2017/04/09 15:40   >>

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詩集『五月の空のように』を読む
          佐藤重男
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詩集『五月の空のように』(みずかみ さやか ジュニアポエム双書264 銀の鈴社 2016.12)を読みました。
43編の作品が収められています。
いつものように、順に見ていくことにします。

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作品「無限大」は、章のタイトルにもとられている作品ですが、そのスケール大きさにもかかわらず、なかなか繊細な表現がみられます。
たとえば、三連目の「足元に打ち寄せる/星屑の海」は、それはそれで大きさを感じさせますが、わたしには、細やかな思いのほうが強く迫ってくるものがありますし、ラストの、「私は 今//宇宙の端っこに/立っている」は、せつないほどの感情の横溢を訴えてくるのでした。

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作品「早春」は、枝の先=尖ったイメージ、という先入観を見事に裏切り、「まあるくなった」との表現は、わたしたちにとって得難い「発見」だと思います。しかも、「ふきだしたので」と「ひろがった」のあいだに、一行多く間をとったことも、それが違和感なく伝わってくるだけに、おもしろさを感じさせてくれています。

 □
作品「さくら」もまた、「早春」と同じように、少年詩の作品のなかでは数多く採られるテーマの一つですが、中盤の「羽を休めて/木にとまる」の二行が、あまりにも突然に提示されるので、いったいこれは、と驚かされてしまったのでした。いったい、木にとまったのは誰なのでしょう。

 □
作品「あじさい」の、ラスト、「虹の玉になった」は、視覚に訴えるばかりではなく、そんなふうに思いついたことに驚いてしまいます。
「あじさい」も、題材として多くの詩人たちに詠まれてきましたが、「虹の玉に」と捉えた人は初めてではないでしょうか。

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作品「空のカタチ」にも驚かされました。というよりも、「空にも/カタチがあるんだよ」は、これまで誰も気づかなかった、そういう意味でも、新しい発見ではないでしょうか。
前にも書いたかと思いますが、詩を書いていて、発見に出会うということは、人間としても、かけがえのない「宝物」を手にする、ということであり、それを詩のことばで残すということは、その「宝物」をみんなの共有財産として分けてくれることですから、そんな作者に、拍手を贈りたいと思います。

 □
ところで、作品「ボンボヤージュ」のおしまい近くの「二万五千百五十回目の/日没に」というフレーズがとても気になりました。「日没に」とあるので、365日で割って見ました。
約69になります。年齢?…

 □
以上、「T章 無限大」に収められている作品を見てきました。
このほか「U章 旅の途中」には、25編の作品が収められていますが、そのほとんどが、近親者(祖父母、両親)への想いを綴ったものです。
そんな親しい人たちと生活を共にした日々のエピソードのどれもが、作者にとってかけがえのないものであり、私たちにできるのは、その想いを共有し、亡き人たちの生きた証しに思いを馳せることに尽きるのではないでしょうか。

 □
推薦作として、作品「無限大」の全文を引かせていただきます。


 無限大   みずかみさやか

月のない夜

皿倉山の
ケーブルカーの光は
夜空へ続く
星の階段

一段一段
上っていったら
足もとに打ち寄せる
星屑の海

見上げると
深い闇の向こうに広がる
銀河系

私は 今

宇宙の端っこに
立っている

         『五月の空のように』ジュニアポエム双書264 銀の鈴社 2016.12

 □
今回も、駆け足での寸評になってしまい、作者には本当に申し訳なく思っています。
みなさんもぜひ、詩集『五月の空のように』を手に取ってみて下さい。

          ―この項 完―

注、作品の引用にあたっては、誤字・脱字などのないよう努めましたが、何かお気づきの点がありましたらお知らせ下さい。

2017.4.8



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これからもブログの運営頑張って下さい。
失礼致しました。
つねさん
2017/04/25 15:05

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