少年詩2010

アクセスカウンタ

zoom RSS 同人誌『まらかいと 21号』を読む

<<   作成日時 : 2016/11/27 09:19   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

同人誌『まらかいと 21号』を読む
  佐藤重男
 □
同人誌『まらかいと 21号』(創作童話グループ「まらかいと」 2016.11)に収められている作品の中から、童謡を中心に見ていくことにします。
少年詩・童謡としては、糸永えつこの、童謡「ともだち いいきもち」一編だけが収められています。

 □
童謡「ともだち いいきもち」は、四連からなる、ひらがなだけの童謡です。
しろうさぎと、くろうさぎが、「いつもの こうえん」「いつもの ばしょ」で、「せなかあわせに」座って、しろうさぎは「あしたの ゆめ」を、くろうさぎは、「きのうの おもいで」を「おおきな かみ」に、描きます。
そんな二人のせなかは「なんだか」温かくて、「なんだか」ふんわりいい気持ちになるのですが、それは、「おひさまだけの おかげかな?」と、二人は思っている、というおはなしです。
いつのまにか、公園には夕暮れがやってきましたので、二人は「ごきげんよう」と挨拶を交わして、家路につくのですが、夕日に照らされた公園は、「あたたかくて」「ふんんわり」いい気持ちにさせてくれるのでした。
それは、「おひさま だけの おかげかな?」と、二人の後ろ姿はつぶやいているようにも見えます…。
《あとがき》によると、十年前に書いた詩を、童謡の形で書き直したもの、だということです。本人もいっているように「うたになるとうれしい」ですね。

 □
20号に掲載された、『忠臣ゴンドバッセ』(ひのくま なおみ)が、あちこちで評判になっているようで、うれしく思っています。
今号(21号)の創作作品では、『醜女の唄』(藤崎 千代子)が、印象に残りました。
というよりも、読み始めると、どうしても読み進まなければ、という強迫観念に襲われたかのように、物語の世界に引きずり込まれてしまったのでした。筆力にも優れていることは言うまでもありませんが、全体の構成力というのでしょうか、読み終わった後、「もう少し長ければ」とも思ったのですが、そうではありますまい、この長さでぴったりなのかもしれない、と感じたのでした。
中盤、近所に嫁いで来た美しい少女と、数年ぶりに出会ったときに起きた「事件」に思わず身体が震えるのを覚えたほどでした。
小糸婆さんの「独言」は、この先も延々と続いていくのでしょう…。それは、わたしたちにとって決して他人事ではない、そう突きつけられた気がしてなりません。
「言葉は、誰かを癒す力を持っている。けど、誰かを傷つけるのも、言葉だ」という詩を読んだことがあります。
たとえば、「ブス」ということばをオチャラケ≠ニしてスルーしてしまう、あるいは一緒に囃し立てる、それは、悪ふざけなどではなく「セクハラ」なのだ、ということを改めて肝に銘じたい、そう思います。

 □
少年詩・童謡とはまた違った世界を見せてもらったことに感謝、です。
そうそう、『醜女の唄』を読んだせいでしょうか、『鬼の研究』(馬場あき子 ちくま文庫)を読み直してみよう、そんな気になりました。

         ―この項 完―

作品からの引用にあたっては、誤字・脱字等のないように努めましたが、何かお気づきの点がありましたらお知らせください。

2016.11.27




月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
同人誌『まらかいと 21号』を読む 少年詩2010/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる