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<<   作成日時 : 2016/11/30 14:58   >>

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詩集『まろい』を読む
  佐藤重男
 □
詩集『まろい』(山口節子 てらいんく2015.8)は、少し風変わりな、そんな形容がぴたりとする、作りのおもしろい詩集です。
まず、「目次」がありません。
そして、収められている作品は、ページごとに独立しているようでもあり(そのようにも読める)、たった一編の詩によって綴られている、とも読めます。
出だしは、こうです。

 まろい
 まろい

 まるい
 まるい

 まあるい
 まあるい

 ほっ

             詩集『まろい』p2

ページをめくると、

 まるは
 まるく
 まるく
 この世に
 うまれた

             詩集『まろい』p4

 □
こうして、「まる」が主人公の物語は、どんどん、どんどん、進行していきます。
はじめに紹介したように、全行135行の一編の作品でもあり、各ページごとに独立した14編の詩集としても読めます。
また、「まろい」は「まるい=丸い」でもあり、「まどい=惑い」「まよい=迷い」にも通じている、そんなことも考えさせられます。
そして、詩集は、次のように閉じられます。

 ひとのものを欲しがるとき
 争いがおこる
 戦争がおこる

 まるには
 争いはいらない
 戦争はいらない

           詩集『まろい』p28

 □
こうしてみると「反戦の詩(あるいは「反現代の詩」)」としても読めますし、そうしてみると「まろい=まるい」は「地球」のことを示唆しているのだということが分かります。
また、「まろい」は、わたしたちの「顔(表情)」であったり、「こころ」であったりします。
いえ、この詩集は、そういう解釈=理屈を拒んでいるのではないでしょうか。ということは、この詩集は、あらゆる人々に読まれていい、ということができます。たとえば、使われている漢字は、決して難しいものではないし、その内容もまた、わたしたちの日常から決してかけ離れたものではありません。
わたしは、この詩集の読者対象として小学生〜、と考えていいと思っています。
いえ、むしろ、子どもたちにこそ読んで欲しい、読まれていい詩集ではないでしょうか。

 まるには
 いろんなまるがある
 どんなまるも
 まる仲間だ

           詩集『まろい』p8

という呼びかけは、子どもたちの共感を呼ぶに違いありません。
どうぞ、この、風変わりな詩集を、ぜひ、手に取ってみて下さい。

         ―この項 完―

作品の引用にあたっては、誤字・脱字等のないよう努めましたが、何かお気づきの点がありまらお知らせください。


2016.11.29


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