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<<   作成日時 : 2017/03/30 08:48   >>

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少年詩時評「反核平和詩集」との出会い
             佐藤重男
 □
論考「三越左千夫少年詩賞の二十年」を準備しているなかで、先日紹介した、音上郁子の経歴を調べているうちに、『反核平和詩集』(詩人会議・編 新日本出版社 1986.6)という本にたどり着きました。
少し長くなりますが、「まえがき」から引用します。

「 いま、人類の生命と文化を破滅にみちびく核戦争の危機が一段と高まる
なかで、これに抗して核戦争阻止と核兵器全面禁止・廃絶を求める声は、
日本はもとより世界各国に広がり、今日もっともさしせまった人類的課
題となっています。
 この課題の実現を、現代に生きる詩人の責務として受けとめるわたした
ちは、被爆四十年、戦後四十年の歴史的な年を踏まえ、「もはや帰らぬ死
者たちにかわって」(ヒロシマ・ナガサキからのアピール)反核・平和の
希いと決意を訴え、謳いあげるアンソロジーの出版を企画し、全国の詩人
のみなさんに参加をよびかけました。」
「わずか二カ月余の間に寄せられた一八四篇の作品のなかから七一篇を
えらんで刊行の運びとなりました。」以下、略

 □
わたしは、この『反核平和詩集』を手にしながら、二つの事に注目させられました。
その一つは、作品を寄せた詩人たちのなかに、二十代、三十代の多くの若い世代の人たちがいるということ。
そしてもう一つは、よく知っている詩人の名前を見つけた、ということです。
まず、若い世代の詩人たちの作品名と名前、そして略歴を引いてみます。

 □二十代
「遠い日の少年達に寄せて―父に捧ぐ」角田恵子  東京都・学生・22歳
「パッ」小林雅夫  愛知県・大学生・22歳

 □三十代
「缶」芝 憲子  沖縄県・無職・39歳
「殻」斎藤範雄  山形県・会社員・37歳
「マイ・ホーム・マイ・シェルター  山田八郎  東京都・会社員・37歳
「自殺的行為の周辺で」和泉攷  大阪府・教員・32歳
「町へ」仲田としあき  長野県・会社員・36歳
「夕暮れ・横田」高田真  東京都・劇団制作部・33歳
「路上にて」三原はるみ  東京都・主婦・37歳
「化石」みもと けいこ  愛媛県・主婦・32歳
「星の輪郭」柴田三吉  東京都・板金業・33歳

 □
なんと、三十代の寄稿者が9人もいることに、そして二十代が2人もいることに驚き、そして、大きな希望と勇気をもらった気がします。
そして、武政博、前田都始恵の二人の名を見つけたときは、ほんとうに驚きもし、いい知れぬ喜びさえ覚えたのでした。
「おりない原爆手帳」武政博  高知県・船員・43歳
「反核の詩を」前田都始恵  東京都・主婦・42歳

武政博は、元船員ということを何かで知ってから親近感を持つようになり、勝手に「知っている人」と決めてしまっていたのでした。そして同人誌『みみずく』のメンバーとして長く活躍してきた、と思い込んでいたのですが、先ほど『みみずく 32号』(2011.12)を読み返してみたところ、同人として名前は載っておらず、わたしの勝手な思い込みのようでした。
また、前田都始恵は、わたしも所属する、「少年詩・童謡・詩論研究会」の仲間として顔見知りの間柄でもありますし、詩集『た・か・ら・も・の』(リーブル 2007.3)の著者です。

 □
今から30余年も前に出版された『反核平和詩集』を手にして、思わぬ収穫がありました。これも、音上郁子の導きかな、と不思議な巡り合わせに感謝しているところです。
そんな矢先、唯一の被爆国である日本(ただしくは日本政府=安倍政権)が、国連に提出された「核兵器禁止条約」交渉に不参加を表明した、という報道に接し、驚愕を禁じえません。
日本政府によると、核保有国の理解や参加が得られないことを不参加の理由としていますが、果たしてそうでしょうか。分断を回避するためにも、日本こそが果たせる役割があるのではないでしょうか。
『反核平和詩集』と出会えたという喜びの気持ちがめちゃくちゃにされて思いでいっぱいです。


            ―この項 完―

追記 いろいろ調べたところ、雑誌『日本児童文学』2002年9・10月号に、武政博の詩「ジンベイザメの記者会見」が掲載されています。参考までに全文を引いてみます。

 ジンベイザメの記者会見     武政 博

おれのことをさ
でっかいだの
こわいだのと言って
水族館に見にやってくるけど
じゃ
そっちはどうなんだい
おれを捕まえて
せまい水槽にとじこめてさ
おまけに
はんしょくさせようと・・・・・・
それで
失敗すればお払い箱
海に捨ててしまうんだ

おれは自由に
海に生きたいのさ
自由にペアを組みたいのさ
おれはな
人さまの見物魚なんて
まっぴらだ

じゃこれで
おれの記者会見は
おしまいのおしまいさ


注、引用にあたっては、誤字・脱字などのないように努めましたが、お気づきの点がありましたらお知らせください。

2017/3/29



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